親から日常的に叩かれたり罵られていたりすると、「他の家でも普通なのかな?」と疑問に思いますよね。
子どもへの関わり方と発達の関係性の研究が進むにつれ、暴力的な関わりはよくないと言われる時代になってきました。
そのため、今の時代、親から叩かれることは「普通」とはいえません。
でも、親は怖いし、どう対処したらいいか分からないですよね。
この記事は
- 親に殴られる、蹴られる
- 親の言葉に心が傷ついている
- 誰かに相談するとエスカレートしそうで怖い
という人のために
を臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
もう我慢しなくていいんだよ
子どもは守られる権利があります。
これからどうしたらいいか話していくので、一緒に考えてみてください。
親からされる嫌なことは「虐待」かもしれない
ニュースなどでも聞く「虐待」という言葉
頭に思い浮かぶのは、叩かれるなどの暴力かもしれません。
でも、「虐待」というのはそれに限られているわけではないんですよ。
児童虐待防止法第2条で定義している、「児童虐待」は次の4つです。
殴られる、蹴られる、物を投げられる
叩かれるなど、体を傷つけられることを、身体的虐待といいます。
熱いものを肌にかけられたり、首を絞められたりすることも、身体的虐待です。
怒鳴られる、理不尽なことばかり言われる
言葉での暴力、「お前なんかいらない」と言われたり、キレられたりすることを、心理的虐待といいます。
無視されたり、お兄ちゃんと比べられて差別されたりすることも、心理的虐待です。
ご飯がない、お風呂に入れない
食事を与えてもらえなかったり、体をキレイに保てない環境だったりすることを、ネグレクトといいます。
ネグレクトとは、育児放棄や育児怠慢のことです。
中学生にもなれば、自分で食事を準備することもできるかもしれません。
でも、お金を与えられていなければ、そもそも食材を買うこともできません。
あまりご飯を食べないでいると、倒れてしまうこともあります。
体を触られる、気持ち悪いことをされる
親にプライベートゾーンを触られたり、「触れ」と言われて強要されたりすることを、性的虐待といいます。
プライベートゾーンとは、水着を着た時に隠れる部分や口など、身体の大切なところです。
「なんだか気持ち悪くて嫌だな」と思っても、「誰にも言うなって言われてるし」「友達に言ったら変に思われそうだし」と考えて言わないようにしていることこそ、大人に相談した方がよいことかもしれません。
親が怖いなら児童相談所が助けてくれる
ニュースで「虐待」がとりあげられると、同時に「児童相談所」という名前を聞くことも多いですよね。
児童相談所は、18歳未満の子どもが安心して安全に生活できるように、援助する機関です。
親から嫌なことをされているのであれば、児童相談所に相談すると助けてくれます。
児童相談所について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください▼
児童相談所に相談するまでの方法
いきなり児相には行けないよ…
児童相談所で相談してみようと思っても、いきなり児童相談所に行くのは、ちょっとハードルが高いですよね。
家からは遠いかもしれないし、どんな大人がいるかも分からないし…
それなら、まずは身近な大人に相談するとよいです。
児童福祉法第25条では、「虐待を受けている子どもを発見した人は、児童相談所に通告しなくてはいけない」ということが書かれています。
これは「通告義務」といいます。
そのため、信頼できる大人に相談すれば、児童相談所に繋げてくれるはずです。
次のなかで、相談できそうな大人はいますか?
学校で先生に相談する
毎日のように通っている学校。
先生なら通告義務のことも知っているでしょう。
担任の先生でなくてもいいです。
保健室の先生や部活の先生、教頭先生など、思い浮かんだ先生でいいですよ。
学校の先生への相談のしかたについては、こちらの記事を参考にしてください▼
警察に助けを求める
交番にいって、お巡りさんに話を聞いてもらうのもいいです。
夜、緊急の場合は、学校やお店も開いていないでしょうから、交番に駆け込んで事情を話しましょう。
緊急のときに備えて、普段からどこに交番があるのか、探しておくのもいいですね。
よく面倒をみてくれる近所の人に話してみる
周りにあなたを気にかけてくれている人はいませんか?
もしかしたらその人は、あなたの家の様子が変だなと思って、心配しているのかもしれません。
通告義務は国民全員に課せられているものです。
先生でも警察でもない人に相談するのは不安かもしれません。
でも、よく面倒をみてくれている人なら、きっと助けてくれるはずです。
児童相談所虐待対応ダイヤル189に電話する
誰にも相談できない。
でも誰かに助けてもらいたい。
そんなときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に電話しましょう。
この番号に電話をかけると、近くの児童相談所に繋がります。
そして、虐待の相談をすることができます。
いざというときは、勇気を出して電話してみましょう。
児童相談所では一時保護や相談・指導などの対応がされる
児相に行ったあとどうなるの?
信頼できる大人に相談して、児童相談所に事情が知られたら、そのあとどうなるのか心配ですよね。
児童相談所は、通告を受けたら48時間以内に、その子が安全か確認することになっています。
確認の方法はいろいろなパターンがありますが、児童相談所の職員が直接話を聞きに来ることもあります。
自分の事情や、これからどうしたいのかを、素直に話してみましょう。
その後は状況によって判断が変わります。
- 家には帰らず一時保護される
- 一度帰宅し、後日親子で相談に行く
- 児童相談所の職員が親に指導をする
家にいることが危険で、家庭から引き離した方がいいと判断されたら、子どもを「一時保護」します。
「一時保護」では、家から離れて、寝泊りできる施設で生活します。
施設によって一日の流れは様々ですが、職員がお世話をしてくれるので、心配はいりません。
また「一時保護」にならない場合でも、相談に通ったり、家が安心できる場所になるように指導したりしてもらえます。
親がエスカレートしない対応を考えてくれるよ
まとめ:親のことで嫌な思いをしているなら、信頼できる人に相談しよう
親に日常的に叩かれたり罵られたりすると、安心して家にいることができません。
子どもは守られる権利があります。
安心して安全に生活できていないのであれば、児童相談所が助けてくれます。
「うちは友達の家と違ってなんだかおかしいな」と感じたら、まずは信頼できる大人に相談してみましょう。
そして、あなたにとって一番よい方法を一緒に考えていってください。
もし身近に相談できる大人がいない場合は、当ブログの筆者が運営するバーチャル談話室に話しに来てみてくださいね。
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