「学校にいるのが辛い…かといって家にもいたくない…」
このように思うと、自分の居場所がないように感じて、孤独で辛いですよね。
- 悩んでいるのは自分だけなのかな?
- 自分の居場所ってどこにもないのかな?
- みんなはどう対処しているのだろう?
と不安にもなると思います。
この記事では、「学校にも家にもいたくなかった」経験のある人たちへのアンケート調査をもとに
ということを臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
ホッとできる場所が見つかるよ
「学校にも家にもいたくない」と感じる理由
- 学校に行きたくない、行けない…
- 家にいたくない、いられない…
そう感じる理由は人それぞれです。
ただ、人間関係のトラブルや家庭環境の問題を理由に挙げる人が多いです。
今回、学生時代に学校や家にいたくなかったという20代~60代の30人にアンケートを実施しました。
その結果、学校に行けない理由としては
- 人間関係
- 勉強面
- 体調不良
家にいたくない理由としては
- 居心地が悪かった
- 親が厳しかった
と答えた人が多かったです。
理由がハッキリ分からないけど、なんとなくっていう子も多いよ
実際にアンケートで寄せられたみんなの声をみてみましょう。
人間関係のトラブルで学校に行けなくなった
小学5年生の頃同じクラスの女子からバイ菌扱いのいじめを受けていました。
プリントを回すときに私のプリントは手のひらで触らずに両肘でプリントを挟むような持ち方をされてかなり傷つきました。
最初は1人の女子からいじめを受けていたのがクラスの大半からいじめられ、1人が私にワザと触れるとみんなで鬼ごっこをしながら逃げ回る真似をされて学校に行くのが嫌になってしまいました。
(50代 男性)
クラスの中にグループができていて、自分が入っているグループのみんなのテンションが自分とは合わず、かといって、グループから抜ける勇気もなく、ついていくのがしんどかったです。
(30代 女性)
中学生になると、スクールカーストもはっきりしてきて、友達とのトラブルや授業中のグループワークの苦手さを抱える人も多いです。
居心地が悪くて家にいたくなかった
地頭が良くないのにとにかく勉強をさせられた
親の隣で勉強をして、休むと小突かれていた
親と兄弟がしょっちゅう怒鳴り合いの喧嘩をしておりうんざりした
(30代 男性)
両親が頻繁に喧嘩をしていたり、親の機嫌をうかがいながら過ごさないといけない環境では、居心地が悪くてできるだけ家にはいたくなくなりますよね。
家には楽しみがなかった
親がいつも不在だった。親の夫婦仲が悪かった。
電気やガス水道がしょっちゅう止められていた。
借金取りの人がよく家にきた。
親がギャンブル、アルコール依存だったので一緒に過ごしたく無かった。
(40代 女性)
家で過ごすのが不便だったり、好きなことを自由にできなかったりすると、家にはいたくなくなります。
「学校にも家にもいたくない」ときの対処法
学校にも家にもいたくない時、どうすればよいのでしょうか?
アンケート結果をもとにした、みんなの過ごし方とその他に考えられる対処法は次のとおりです。
友達の家や祖母宅、図書館などで過ごす
学校にも家にもいたくない時は、それ以外の場所で過ごすようにしていた人がたくさんいました。
アンケートで寄せられた回答は、次のような場所です。
- 保健室にいる
- 図書館で読書
- コンビニ前で友達とお喋り
- 友達の家で遊ぶ
- ゲームセンターをウロウロする
- 祖母宅で過ごす
- 遠回りをして登下校する
- 自分の部屋にこもる
家でも学校でもない場所をそれぞれ探していたようです。
趣味やペットなどを心のより所にする
心のより所は何だったか聞いたところ、趣味や一部の友達という答えが多く集まりました。
- 音楽
- 釣り
- プラモデル作り
- 小説
- 漫画を描く
- 深夜のラジオ
- ペット
- 転校前の友達
好きなことや没頭できることをして過ごしていたようです。
居場所も心のより所もなかったという人もいたよ
信頼できる大人に相談する
学校にも家にもいたくない時、もし身近に信頼できる大人がいれば、その気持ちを話してみると良いです。
何か解決の糸口が見つかるかもしれませんし、話すだけでも少し気持ちが楽になるかもしれません。
子どもを対象にした相談窓口もあります。
学校にはスクールカウンセラーがいますし、教育相談所や児童相談所などの相談機関を利用するという方法もありますよ。
学校や家以外の居場所を見つける
学校や家にこだわらず、どこか外に自分の居場所を見つけましょう。
頼れる友達や親せきがいない場合は、地域がひらいている居場所に行ってみるのもいいです。
次の項目でいろいろな居場所を紹介するよ
学校と家以外の心の居場所を4つ紹介
学校や家以外に居場所はあるの?
大人たちが子どもの居場所を作る活動をしてるよ
少子化や核家族化が進むなか、子どもの居場所を作ろうとする活動が盛んに行われています。
ここでは、子どものための心の居場所として、次の4つを紹介します。
校内居場所カフェ
一日のうちのほとんどを学校で過ごす中高生にとって、学校の居心地が悪いのはしんどいですよね。
教室、保健室、部室以外に、居場所があると、少し気持ちも変わるかもしれません。
校内居場所カフェとは
- 高校の中で月2~4回、昼休みや放課後に開かれるカフェ
- 団体のスタッフやボランティアなどの大人たちが運営
- 他クラスの生徒や大人と話ができる
- お菓子やジュースを無料でもらえる
- 好きなことをして過ごせる
という場所です。
全国に少なくとも60箇所(2021年時点)と、まだまだ少ないですが、近所の高校に居場所カフェがある場合は、高校選びの参考にするとよいです。
校内居場所カフェについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
学習支援
居場所のなさとともに、勉強のついていけなさを感じている場合は、無料の学習支援を活用するとよいです。
無料の学習支援とは
- 経済的に塾に通えない、集団が苦手、日本語に慣れていない人のための無料塾
- 大学生や地域の人が個別に教えてくれる
- 「寺子屋」「無料塾」などそれぞれ名前がついている
というような場所です。
ひとりひとりのペースに合わせて関わってくれるので、塾でありながらも「居場所」になりえます。
学習支援について詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
こども食堂
食事の時間や夜に居場所のなさを感じる場合は、こども食堂を利用してみてください。
「こども食堂」と聞くと、お金がない人が行くイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
こども食堂とは
- 地域の人が集まって過ごせる場
- 週1回や月2回など、決まった曜日に開かれる
- 人や食との出会いがある
- 無料か安い料金で温かいご飯が食べられる
という場所です。
こども食堂について詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
こども食堂は、場所によっても雰囲気がかなり違うと思います。
私が行ったこども食堂は、大人の利用者が多く、地域のにぎわいづくりのための場所と感じました。
お腹いっぱいご飯を食べて、デザートにお土産まであったよ
実際に近所のこども食堂に行った時の様子が知りたい人は、こちらをどうぞ▼
恋人
恋人がいる場合は、恋人を頼ったり甘えたりして、心の居場所にしてください。
「頼り過ぎたら嫌われないか」「恋人に依存して自分では何もできなくならないか」心配になるかもしれません。
でも、適度な依存は心を安定させます。
また、恋愛には
- 自尊心や充実感を高めてくれる
- 本音を語ることや相手への配慮ができるようになる
- 「自分らしさ」を確立する手助けになる
という効果も期待できます。
恋人との関係について詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
(おまけ)バーチャル談話室
- 「4つの心の居場所はピンとこない…」
- 「近所には居場所になるような場所がなさそう」
紹介した4つの居場所がイマイチだと感じた人は、筆者が運営するバーチャル談話室に遊びに来てください。
バーチャル談話室は
- 中高生のためのフリースペース
- 無料で利用できる
- バーチャルなのでどこからでも参加可能
- 運営者あたるとお喋りできる
という場所です。
遊んだり、お喋りしたり、何もせずに誰かと過ごしたり…
自由にできる場所なので、気軽に覗きに来てくださいね。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
学校にも家にもいたくない時に居場所を求める心理
居場所が欲しいなんて感じなければ楽なのに…
人は自分が受け入れてもらえる、安心の場が必要なんだよ
学校にも家にもいたくないと感じる時、どこかしらに居場所があったらいいのにと思いますよね。
では、なぜ人は居場所を求めるのでしょうか?
「居場所」は言い換えれば「安心できる場所」とも言えます。
マズローの欲求5段階説にもあるように、人間には「受け入れられたい」という欲求があります。
そのため、自分が受け入れてもらえる、安心して自分らしくいられる場所が欲しくなるのです。
「居場所がない」と感じる原因には
- 幼い頃から守ってもらえる環境がなかった
- 味方になってもらえなかったり、裏切られたりした経験がある
- 親に自分の気持ちを分かってもらえることが少ない
- 家庭内で暴力があり、家が安全でない
などが考えられます。
安心できるはずの場所で、自分を受け入れてもらえなかったことがあるのかもしれません。
また、中高生は「自分らしさ」を考える年齢でもあるため、心の居場所が必要になります。
詳しくはこちらの記事で説明しているので、読んでみてください▼
まとめ:安心できる場所が居場所になる
学校にも家にもいたくないと感じている人は、学校や家以外の居場所に目を向けてみてください。
友だちの家や祖父母の家、図書館で過ごすのもいいですし、
- 校内居場所カフェ
- 学習支援
- こども食堂
- 恋人
など、子どものための居場所を活用してみるのもいいですね。
居場所は、自分が受け入れてもらえて、安心できる場所です。
学校も家も安心して過ごすのが難しかったかもしれませんが、きっとどこかに安心して過ごせる場所があります。
ゆっくりでいいので、自分が落ち着く場所を探してみてくださいね。
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