離婚した親がどのような人なのか、今どういう生活をしているのか、気になりますよね。
たとえ離れて暮らしているとしても、親に会いたいと思うのは自然なことです。
離婚した親の住所や名前が分からなくても、調べる方法はあります。
ただ、親は別の家庭を築いて幸せに生活しているかもしれません。
暴力的だったり、薬物をやっていたり、子どもとの再会に拒否的な可能性もあります。
離婚した親に会うことには、リスクもあるのです。
この記事では
- 離婚した親に会いたいと思ってはいけないの?
- なぜ離婚した親に会うなと言われるんだろう?
- どうやったら離婚した親に会える?
と悩んでいる人のために
ということを、臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。
親への気持ちが整理できるよ!
離婚した親に会いたいと思うのは、自分のルーツを知るため
離婚した親に会いたいと思うのは変?
離婚した親に会いたいと思うことは、自然なことです。
子どもは大人になる過程で、「自分らしさ」を探す時期があります。
「自分らしさ」を確立するために、自分がどこから生まれてどう育ってきたのかを考えるようになります。
そのため、離婚した親、つまり自分を生んだ親のことが気になるのです。
自分が何者かを知るために、親に会いたくなるんだね
もちろん、離婚した親に会いたくないという人もいます。
離婚した親に悪い印象を抱いていたり、同居親の影響を受けていたり、今の自分の生活には必要ないと思っていたりすると、離婚した親に会いたいとは思わないでしょう。
でも、離婚した親に会いたいと思う人も多くいます。
親を知ることは、自分のルーツを知るために、必要なことなのです。
「ルーツ」は、物事の根源、起源、祖先のことだよ
離婚した親に会うことで傷つく可能性もある
「会うな」と言われるのはなぜ?
離婚した親に会うことには、リスクもあります。
離婚にはそれなりの理由があるので、離婚した親に問題がある可能性も否定できないのです。
たとえば、離婚した親に会うことで
- 新しい家庭で幸せに暮らしていることを知り、二度目の喪失感を味わう
- 暴力的で会ったときに暴力を振るわれたり、お金をとられたりする
- 子どもに対して拒否的で、冷たい態度に傷つく
ということも考えられます。
同居している親が「離婚した親に会うな」と言うのは、我が子が傷つくことを心配しているのかもしれません。
離婚した親に、都合の悪いことを吹き込まれる心配をしていることもあるね
子どもに会いたいと思う離婚した親の気持ち
離婚した親は、子どものことを大切に想っている場合もたくさんあります。
子どものことが好きで、会いたいけど会えないという事情もあるのです。
離婚した親は次のような気持ちを抱いていることがあります。
- 同居親に面会の許可をもらえず、子どもが遠いところに行ってしまった悲しみ
- 子どもの世話をできずに離れるしかなかった申し訳なさ
- 子どもに何かしてやりたいけど経済的にも精神的にも余裕がない無力感
- 離婚の責任を感じて、自分には子どもに会う資格がないという思い
離婚して子どもに会えなくなったことで、喪失感を味わう親もいるのです。
子どもとの面会については、離婚するときに親同士が話して決めている場合もありますし、裁判所があいだに入って指導している場合もあります。
そのため、離婚した親が「子どもと会わない」ことを選んでいるとは限りません。
離婚しても、子どものことは大事だという親もたくさんいるのです。
会いたくないから会わないとは限らないんだよ
離婚した親に会いたいときにできる3つのこと
離婚した親に会う方法はあるの?
離婚した親に会いたいのであれば、会うこともできます。
家庭の事情にもよりますが、会うことのリスクや両親の思いを理解したうえで、会うかどうかは自分で考えてみましょう。
「会いたい」と思うのであれば、次に書く方法を試してみてください。
- 同居している親に所在を聞く
- 身近な大人に気持ちを話してみる
- 市役所などの行政機関で所在を調べる
同居している親に所在を聞く
離婚した親については、同居している親がよく知っていると思います。
現在一緒に生活している親でもあるので、同居している親に聞いて会いに行くのが、親にとっても安心です。
ただ、離婚した親に会ってほしくないと思っている親もいます。
- 同居している親には、離婚した親の話ができない
- 聞いてみたけど「あとでね」とはぐらかされる
ということもあるでしょう。
気を遣って聞きづらいよね
親が「会ってほしくない」と思う理由には、さまざまな事情があります。
そのため、できるだけ素直な気持ちで話し合ってみてください。
向き合って話をすれば、同居している親もより真剣に答えてくれるでしょう。
そして、親の思いや考えを理解したうえで、自分がとるべき行動を考えてみてください。
身近な大人に気持ちを話してみる
同居している親には話しづらいけど、「会いたい」気持ちをひとりで抱えているのも不安ですよね。
「離婚した親に会いたい」という気持ちを話せる大人は、身近にいますか?
学校の先生やスクールカウンセラー、信頼できる大人に、会いたいという思いを話してみましょう。
児童相談所や心理相談室に関わりがあるなら、職員に相談してみてもよいでしょう。
話をすることで、自分の気持ちが整理できたり、どのように行動すればよいかが分かったりしますよ。
話しやすい大人を頼ってみてね
「信頼できる大人はいない」「相談できる人がいない」と悩んでいる人は、こちらの記事も読んでみてください▼
市役所などの行政機関で調べる
親や信頼できる大人には話せないけれど、どうしても離婚した親の居場所を知りたいのであれば、市役所で離婚した親の現住所を調べることができます。
戸籍謄本から親の本籍地をたどり、戸籍の附票で現住所を調べる方法です。
ただ、市役所での手続きは、ややこしいですし、手数料や交通費などもかかります。
また、親が市役所に届け出をしていなければ、戸籍の附票に載っている住所が正しくないこともあります。
詳しい申請方法は、市役所のホームページなどで確認してね
離婚した親の現住所が分かったとしても、いきなり会いに行くのはやめた方がいいです。
離婚した親は新しい家庭を築いて生活を送っているかもしれませんし、トラブルに巻き込まれると危険です。
そのため、まずは身近な大人に気持ちを話して、安全な行動をとってください。
家を出た母親に会いに行く小説【ナモナキラクエン】
会う方法が分かっても、本当に会っていいのか不安ですよね。
離婚した親に会いに行くイメージをすると、いろいろな不安が整理できます。
そして、小説を読むことが、イメージするヒントになることもあります。
小路幸也さんの【ナモナキラクエン】は、母親が違う兄妹弟が、父さんの死をきっかけに、それぞれの母親に会いに行く話です。
なぜ父さんが結婚離婚を繰り返して「家族」を作ったのか、結末に明かされる真実が衝撃的で、胸を打たれます。
フィクションなので、現実の話とは違いますが、いろいろなことを考えながら読める本だと思います。
難しい表現も少なく読みやすい本なので、イメージして読みながら、離婚した親に本当に会いに行くべきかを考えてみてください。
まとめ:離婚した親に会うなら覚悟が必要
離婚した親に会うことには、ある程度の覚悟が必要です。
「会いたい」と思うことは、自分のルーツを知る意味でも自然なことです。
ただ、会うことには傷つくリスクもあります。
離婚した親が「会いたい」と思っている場合もありますが、同居している親や信頼できる大人とよく話して、自分の気持ちを整理したうえで、本当に会うのか考えてみてくださいね。
コメント