親が子どもっぽいと、子どもながらに呆れてしまいますよね。
苛立ちや疲れも感じていると思います。
親は「親」とはいえ、離婚などのショッキングな出来事や、心の病気、子どもの頃の養育環境によって、「親」としての振る舞いができなくなってしまいます。
そして、親が「親」としての役割を担わなければ、子どもが「親」の役割を担うようになり、子どもに負担がのしかかります。
だからといって、子どもが親の代わりに「親」として生きる必要はありません。
この記事は
- 親が子どもっぽくて本当に嫌!
- どうして子どもの自分がこんなに我慢しなきゃいけないの?
- 親の代わりを頑張ったら何かいいことある?
と思っている人のために
を臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。
「親」不在のなかどう過ごしたらいいか分かるよ
子どもっぽい親が生まれる3つの理由
どうして大人なのに子どもっぽいの?
親は大人で、自分より何年も生きているのに、どうしてしっかりしてくれないのか不思議に思いますよね。
子どもみたいな親になる理由は、いくつか考えられます。
この記事では上の3つについてを説明します。
離婚のショックで抑うつ的になっている
離婚はたとえ本人たちが決めたことでも、ショックな出来事です。
不安になったり孤立感を感じたり、抑うつ的になったりします。
離婚した親の心の状態については、こちらでも紹介しているので参考にしてください▼
親が悲しんでいたり、不安そうにしていたりすると、子どもが親を支えることになります。
そして、親の「親」になった子どもから見ると、親が「子ども」のようにみえます。
精神的な病を患っている
なにか病気を患っていると、活動的に家事や育児をこなすことが難しいです。
布団で横になっていることも多いかもしれません。
そうすると、子どもが家事や親の世話をすることになります。
子どもが親の「親」となって、食事を作ったり、薬の管理をしたりしていると、親のことが「子ども」のように感じてきます。
家事や家族の世話をしている18歳未満の子どもは「ヤングケアラー」とよばれています。
ヤングケアラーについては、こちらの記事で詳しく説明しているので、読んでみてください▼
親が子どもの頃甘えられずに育った
親自身が子どもの頃、愛されずに育った場合、心が不安定で子どもに依存的になります。
また、親としての振る舞い方も分からず、親らしくすることが難しいです。
そのため、親のことが子どもっぽく感じられ、子どもの方が「親」のように振る舞うことが増えます。
役割逆転によって子どもが背負う役割は1つではない
親が子どもっぽくて役割逆転が起こるとき、単純に親の役割1つだけを子どもが背負うわけではありません。
例えば、離婚してひとり親になると、子どもは「親」以外に
- 保護者
- 恋人
- 別居している親に対抗する戦友
- 親の精神的な不安定さを支える人
など、さまざまな役割を背負うことになります。
こんなにもたくさんの役割が子どもにのしかかったら、それは負担が大きすぎますよね。
いくつもの役割を同時にこなすことは難しい
役割逆転が起き、親に背負わされるこの複雑な役割を、子どもはこなそうとします。
つまり、保護者であり、恋人であり、戦友であり、精神的な支えであろうとします。
でも、それが長期間続くとどうなると思いますか?
本当の意味で親の保護者にはなれないし、恋人にもなれません。
だから、いくら頑張っても親の期待に添うことは無理なのだと気づかされます。
たとえ大人であってもこの複雑な役割はこなせないよ
自分の力のなさに絶望し、怒りをおぼえることもあるでしょう。
親から離れようともするのですが、罪悪感が生じてきます。
家のなかで乱暴になったり、部屋から出ずにひきこもったりすることもあります。
無理な役割を押し付けられ、心が負担を感じて反応しているのです。
子ども時代に親役割を生きると「真面目」になる
頑張り続けるとどうなるの?
親役割を生きるということは、「子ども」として生きる時間がなくなるということです。
本来の自分としてではなく、親が期待している役割を演じて生きることになります。
つまり、自分が思っていることや感じていることを、抑えて生きていかなくてはいけません。
そのため、次のような影響がでてきます。
- 真面目すぎる性格になる
- 楽しむことがなかなかできない
- 自分の考えや行動に「これでいい」と確信を持てない
- 対人関係に苦しむ
このような特徴は、アダルトチルドレンの特徴でもあります。
アダルトチルドレンについては、こちらの記事で詳しく説明しています▼
まとめ:子どもっぽい親の代わりはしなくていい
心が不安定な親のもとで、子どもは親を支えようとします。
でも、その役割は単なる親ではなく、さまざまな役割であり複雑です。
自分自身を生きられないというのは、健康的な心の成長をも邪魔します。
どこか一つでもいいので、自分がありのままの姿でいられる場所を探してみましょう。
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