中学生・高校生になると、「自分らしさ」が分からなくなって、不安になりますよね。
心の発達という視点で考えると、中学生・高校生の時期は「自分らしさ」を探す段階といえます。
そのため、自分が何者かという確信が持てなくなり、不安が高まるのです。
この記事は
- 「自分らしさ」って何?
- 今までの自分との違いを感じて窮屈な気がする
- 友達から言われる自分の性格に違和感を感じる
という人のために
を臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
「自分らしさ」に悩む理由が分かるよ
中学生・高校生は「自分らしさ」が揺らぐ時期
今までは平気だったのに…
中学生・高校生くらいになって「自分らしさ」に悩む人は多いです。
これは、心の発達段階が関係しています。
つまり、中学生・高校生の時期は「自分らしさ」を模索するという発達の課題にぶちあたるのです。
もう少し詳しくみてみましょう。
青年期の課題「アイデンティティ対アイデンティティ拡散」
心理学者のエリクソンは、人生の発達段階を8つに分けて、段階ごとに発達課題があるといいました。
そのなかの13歳から22歳を青年期とし、その時期の課題は「アイデンティティ対アイデンティティ拡散」であるとしています。
アイデンティティとは「自分らしさ」のこと
アイデンティティってなに?
アイデンティティとは自我同一性と訳されますが、分かりやすくいうと「自分らしさ」のことです。
青年期に「自分らしさ」を探し、「自分はこういう人間だ」ということを確立していくのです。
しかし、小さい頃の「自分らしさ」を否定したり、改めて考え直したりして「自分らしさ」が分からなくなると、心理的な混乱に陥ります。
これをアイデンティティ拡散といい、不安や空虚感にとらわれることもあります。
中高生はまさに「自分らしさ」を模索する時期なんだね
小さい頃の「自分らしさ」は他人が思う「あなたらしさ」
小さい頃の「自分」とギャップを感じるのはなぜ?
「自分らしさ」を考えていると、小さい頃に思っていた「自分らしさ」と今の自分にギャップを感じることがあります。
これは、小さい頃の「自分らしさ」が親や大人から与えられた「あなたらしさ」だからです。
精神科医のラカンは、幼児は鏡に映る自分の姿を見ることで自分が自分である感覚を獲得していくといいました。
ここでいう鏡は、他者のことでもあります。
他者が映す自分を見ることで自分を知っていくのです。
つまり、親が「あなたは明るい子だね」と言えば自分は明るいのだと思い、「あなたは繊細だね」と言えば自分は繊細なのだと思い込みます。
しかし、青年期に「自分らしさ」を自分の感覚で確かめられるようになると、周りが言っていた「あなたらしさ」と実感としての「自分らしさ」にギャップを感じることがあります。
そうすると、過去の自分と今の自分が繋がらなくなっていまい、「自分らしさ」が分からなくなるのです。
自分らしさへのストーリーを描いたオススメ漫画【着たい服がある】
小さい頃に与えられた「自分らしさ」を否定して、実感のともなった「自分らしさ」を確立するまでは、宙ぶらりんで不安も感じます。
周りが思う「自分」とは違う、実感のともなった「自分」になるのは、勇気がいることでもあります。
そんな葛藤をもがきながら、自分らしく生きようとするストーリーを描いた漫画が「着たい服がある」です。
女子大生である主人公が、「自分らしく」あるために、もがき、傷つき、答えを見つけていく物語。
このストーリーのように、与えられた「自分らしさ」の殻を破って、少しずつ「これが自分だ」と思える「自分」になっていきましょう。
5巻完結だから読んでみてね!
まとめ:「自分らしさ」は焦らず見つけていけばいい!
高校生は「自分らしさ」を模索する時期です。
小さい頃に与えられた「自分らしさ」とのギャップに苦しむこともあります。
時間をかけて、実感を確かめながら、ゆっくり見つけていきましょう。
自分らしくいられる場所については、こちらの記事を読んでみてください。
また、当ブログの筆者が運営するバーチャル談話室「ここがるーむ」では、話をしながら自分と向き合うことができます。
詳しくはこちらの記事を読んで、ぜひ遊びに来てください。
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