離婚した親のもとで生活していると、自分は他の人と違うように思えて、おかしくなったんじゃないかと心配になりますよね。
実際に親が離婚すると、周りとは違う行動をとるようになったり、不登校になったりすることがあります。
この記事では
- 同級生と話が合わないけど、親が離婚したからなのかな?
- 親が離婚してから授業に集中できなくなったけど、離婚が原因?
と悩んでいる人のために、離婚が子どもに与える影響を
という3つのパターンから、臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。
親の離婚が子どもにどう影響するか分かるよ
親の離婚で自分がおかしくなったと感じることがある
離婚は夫婦の問題ですが、離婚の影響は家族にまで及びます。
今まで一緒に生活していた人がいなくなるのですから、離婚前までの生活とは大きく変わるでしょう。
変化は環境だけでなく、心や行動にも影響を及ぼします。
そして「なんだか自分がおかしくなったみたい」と感じることもあります。
たとえば、親の離婚によって子どもは次のような影響を受けます。
- 大人びた行動や幼い行動により、同級生から浮いてしまう
- 抑うつ的になり、授業に集中できなくなったり、学校に通えなくなる
- 自分を責め、良い子であろうとしたり、自傷行為をしたりする
なぜ、離婚が性格や行動に影響を与えるのか、ひとつずつみてみましょう。
子どもの行動と親の離婚がどう繋がっているのか、分かりやすく話すね
離婚して不安定な親を支え、同級生と話が合わなくなる
親の離婚が影響して、同級生と話が合わなくなることがあります。
離婚した親は、自分たちで離婚を決めたとしても、安定した生活を続けられるとは限りません。
不安でこの先どうしようか迷っていたり、パートナーとの別れにより、抑うつ的になったりしています。
親が離婚でどのような心理状態になるのかについてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください▼
心理的に不安定な親を支えようとすることで、子どもは親の代わりをするだけでなく、さまざまな役割を背負うことになります。
- 保護者
- 恋人
- 別居している親に対抗する戦友
- 親の精神的な不安定さを支える人
たくさんの役割を背負い、本来の「子ども」ではいられなくなります。
「子ども」として自由に振る舞ったり、甘えたりすることは、大人になる過程で必要なものでもあります。
しかし、親を支えるため「子ども」の姿は心の奥にしまって、「大人」らしく振る舞うようになります。
親の代わりに「大人」になるんだね
「大人」らしく振る舞うことが身に着くと、同級生が幼稚に見えて違和感を覚えることもあるでしょう。
たまに、心の奥にしまった「子ども」が出てきて、同級生にビックリされることもあるかもしれません。
不安定な親を支え、「子ども」でいられないため、年齢より大人びた行動や幼い行動をとることになり、同級生から浮いてしまうことがあるのです。
周りと違う行動をして、他の人との違いを余計に感じるかもしれませんが、おかしなことではありません。
親が離婚して変化した環境に、心が適応しようとしている自然な反応です。
不登校や学力低下、万引きにより「問題児」扱いされる
親の離婚をきっかけに、不登校になったり、成績が落ちたり、万引きをしてしまうことがあります。
親の離婚は子どもにとってもショックな出来事です。
別れた親を失う体験ではなく、一緒に住んでいる親までも失うことがあるからです。
一緒に住んでいる親を失うって?
たとえば、一緒に住んでいる親が
- 新しく仕事を始めて、家にいることが減る
- 自分のことでいっぱいいっぱいになり、子どもの気持ちを考えられなくなる
という状態になると、離婚前の生活とは変わりますよね。
一緒に住んでいたとしても、過ごす時間が減ったり、心の距離ができたりするのです。
心理的に失うような感覚をもつよね
別れた親と一緒に住んでいる親を同時に失う体験は、心に重くのしかかります。
そのため、抑うつ状態になることもあります。
抑うつ状態になると、体が重く感じたり、頭がボーっとしたりするので、今までどおりに動かすことが難しいです。
そして
- 朝起きられず、学校に行けない
- 頭がボーっとして授業に集中できない
- 勉強しても頭に入ってこなくて成績が落ちる
というように、不登校や学力の低下に繋がります。
また、環境の変化によるストレスや、自分の気持ちを分かってくれない親への反抗として、万引きをしてしまうこともあります。
不登校や学力低下、万引きは、大人から「問題」として扱われやすいです。
勉強するよう注意されたり、万引きをただただ怒られたりすることもあるでしょう。
「問題児」として扱われると、自分はダメなんだと思ったり、大人は何も分かってくれないと絶望したりします。
親にまで否定されると、悲しくなるよね
でも、不登校や学力低下、万引きの背景には、親の離婚が関係しているのです。
おかしくなったわけではなく、心の自然な反応です。
自分を責めることが増え自分を傷つける
親の離婚により、自分を責めることが増えて、自傷行為にいたることもあります。
なぜ自分を責めちゃうの?
離婚は親同士の問題です。
でも、離婚の原因は自分にあるのではないかと思う人もいます。
- 「自分が悪い子だったから、親は離婚したんだ」
- 「自分が可愛くなかったから、親が出て行ってしまったんだ」
この考え方は、正しいとは言えません。
親の離婚が自分のせいだと考える必要はないのです。
自分が離婚を阻止できたんじゃないかと考えてしまうよね
離婚の原因だけでなく、離婚後の親との関係性や、環境の変化によるストレスから、自分を傷つけたくなることもあります。
自傷行為は、自分の心を守るためのものでもあります。
ただ、自分を責める原因には、親の離婚が影響していますし、親の離婚は親同士の問題です。
だから、自分を責める必要はありません。
腹が立ったり不安になったり気分が落ち込んだり、いろいろな気持ちが出てくるのは自然なことなのです。
自傷行為については、こちらの記事も参考にしてみてください▼
親の離婚の体験を子ども目線で描いた漫画【機能不全家族】
親の離婚は子どもにさまざまな影響を与えます。
離婚や親との関係性による影響を、子どもの目線から描かれた漫画が、夏目ユキさんの【機能不全家族】です。
機能不全家族とは、家庭内で弱い立場の人の身体や心を傷つける行為が日常的に存在している家族の状態のことで、家族としての機能が働いていない家族のことをいいます。
漫画【機能不全家族】では、機能不全家族で育った子どもがどのように大人になっていくのかが描かれています。
共感できる場面もあると思うよ
虐待の描写も出てきますが、残酷な表現は避けられているので、リアルに描写されている漫画よりも読みやすいと思います。
漫画アプリなどで読めるので、漫画好きな人は読んでみてください。
まとめ:おかしいと感じるのは親の離婚の影響
親の離婚により、子どもは大人びた行動をとったり、不登校になったり、自分を傷つけたりすることがあります。
最近自分がおかしくなったように感じるのは、親の離婚が影響しているかもしれません。
影響を受けた性格や行動の変え方については、「アダルトチルドレン」の考え方が参考になるので、こちらの記事を読んでみてください▼
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