親の離婚は、友達に話すと重い空気になったり、同情されたりしそうで言いづらいですよね。
家庭のことを隠そうとすれば、嘘をつかないといけない場面も出てきて辛くなってしまいます。
本音を言えずに悩んでいる子は少なくなく、親の離婚を経験した子どもが通る道でもあるのです。
この記事では
- 親が離婚して家族のことが話しづらい
- 友達に本音が言えない
- 気持ちを吐き出す場所がなくて辛い
という悩みを抱えている人のために
ということを臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
この記事を読めば、言えないのも自然なことなんだって思えるよ!
親の離婚を経験して辛いと感じている人は多い
親の離婚によって、友達に家族のことを話しづらくなったり、本音が言えなくなったりすることがあります。
父親、母親がいる家族を「普通の家族」とする社会的な風潮が、親の離婚を打ち明けづらくしているのでしょう。
子どもとして親の離婚を経験した96人を対象とした調査のなかでは、親の離婚についてマイナスと思うことや辛かったこととして、次の回答が得られています。
引用元:親の離婚を経験した子どものこころ
- 離婚後学校で友達と明るく家庭のことが話せない
- 親の離婚について話せず、家族や親の話題になると身を引いてしまっていた
- 親の離婚について訊ねられるのが嫌だった
- 親が離婚したことで「正しくない家庭」と世間的に見られ辛かった
- 励ましのつもりとは思うが、複雑な家庭なのに頑張っていると級友の前で先生に言われて辛かった
離婚によって、家庭のことが話しづらくなり、マイナスに感じている人は多いのです。
また、本音が言えずに辛さを抱えていたという人もいます。
引用元:親の離婚を経験した子どものこころ
- 嘘をつかなければならない場面が多くなり、心身が疲れた
- 自分のことを開けっぴろげに何でも話すことが出来なくなった
- 余り他人に深入りされたくないと自分で殻を作ってしまうようになった
自分の気持ちが吐き出せないと辛いよね
内閣府が報告している「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、親の離婚を経験する未成年の子どもは毎年20万人にのぼります。
20万人ずつ増えていることを考えると、周りには親の離婚を経験した人が意外といるかもしれません。
それでも、親の離婚は打ち明けづらく、周りに隠して辛い気持ちを抱えている人もいるのです。
劣等感や悲しみ、不信感が親の離婚を言えなくしている
なぜ親の離婚は言いづらいの?
親の離婚が言えない要因は、親の離婚を経験してからの心の動きにあります。
親の離婚を経験した大学生を対象としたインタビュー調査では、親の離婚を経験してから立ち直るまでに、次のようなプロセスをたどるという結果が出ています。
引用元:親の離婚を経験した子どもが立ち直るまでのプロセス
- 親が離婚したという事実を認められない【否認】の段階
- 深い悲しみを示す【悲嘆】の段階
- 感情を抑えきれなくなる【怒り】の段階
- 離婚という事実を変えられない〔離婚に対する諦め〕を感じ落胆する【抑うつ】の段階
- 抑えていた感情を表出でき【安堵】の気持ちを持つ段階
- 親の離婚そのものを【受容】する段階
離婚の悲しみを感じる【悲嘆】の段階では
友人に離婚しているという劣等感や親の離婚を悲しんでいる自分を見せないように〔悲嘆感情の隠ぺい〕をするようになっていた。
引用元:親の離婚を経験した子どもが立ち直るまでのプロセス
というように、友達に劣等感や悲しんでいる姿を見せないようにすることが分かります。
すると、自分の気持ちを吐き出す場所はなくなり、感情が心の中に溜まってしまいます。
落ち込んでる姿はあまり見られたくないよね
また、離婚が仕方ないことだと諦め、落胆する【抑うつ】の段階に入ると
他者に対し〔悲嘆感情の隠ぺい〕をしているため、本音を話すことができる他者の存在がいないことに気づき、〔他者への不信感〕を抱き始めていた。
引用元:親の離婚から立ち直るまでのプロセス
というように、【悲嘆】の段階から自分の気持ちを隠しているため、本音を話せる人がいないことに気づき、その気づきは周りの人に対する不信感に繋がります。
不信感があるため、親の離婚について話すことができず、本音は語れなくなってしまいます。
親の離婚を経験すると、劣等感や悲しみを隠して自分の気持ちを吐き出さないようになり、それが周りへの不信感になって、本当のことが言えなくなるのです。
大切な人との出会いによって本音が言えるようになる
どうすれば本音が言えるようになる?
親の離婚を経験して劣等感や悲しみを隠し、さらに人を信じられなくなって、本音を言うのは難しくなります。
しかし
〔重要な他者との出会いと自己開示〕によって、抑えていた感情を表出させることができ、【安堵】の気持ちを持つことができるようになっていた。
引用元:親の離婚から立ち直るまでのプロセス
とあるように、「重要な他者」と出会うことで、隠していた気持ちを吐き出すことができるようになります。
「重要な他者」は、親友かもしれないし、恋人かもしれないし、尊敬できる先生かもしれません。
「重要な他者」が誰なのかは人によって違いますが、自分を受け入れてくれる存在だといえます。
自分語りできる大切な人との出会いが、本音を言えるようにしてくれるよ
自分の気持ちを吐き出し、それを受け止めてもらうことで、安心感を抱くようになります。
大切な人との出会いによって、安心して本音が言えるようになるのです。
本音が言える大切な人と出会う方法
どうすれば大切な人と出会える?
自分の気持ちを吐き出せる「重要な他者」は、出会おうとして出会えるものではありません。
相手との相性や、自分が「話したい」と思えるかどうかによって、本音が言えるかが決まります。
なので、無理に話せる相手を見つけようとする必要はありません。
今は話せる人がいないならば、本音が言える相手との出会いを待っていいのです。
話したいと思える親友がいるならば、話せそうなタイミングで話してみたらいいのです。
「話したい」と思った時に話せばいいんだよ
どんなタイミングで話したらいいの?
親の話を振られた時に話の流れで打ち明けるのもいいんじゃないかな
もし、隠すのがしんどくて早く安心できる場所が欲しいのであれば、この記事を読んでみてください▼
また、恋人に本当の気持ちを話してみたいけど、怖くてためらっているという人は、この記事を読んでみてください▼
まとめ:親の離婚を無理して友達に言う必要はない
親の離婚を経験することで、劣等感や悲しみを抱き、それを隠そうとして本当の気持ちを抑えるようになります。
そして、気持ちを吐き出せないことの気づきは、周りの人への不信感に繋がり、本音を語れなくさせます。
しかし、自分を受け入れてくれる人と出会うことで、気持ちを吐き出すことができるようになります。
本音を言える大切な人との出会いは、いつどこであるか分かりません。
だから、自分が「話したい」と思えるまでは、親の離婚を話さなくてもいいのです。
そして、大切な人との出会いがあったときや話したいと思えたときに、少し勇気を出して本音で語ってみましょう。
今まで抑えてきた感情が吐き出せて、心が楽になりますよ。
コメント