仲の良い友達がいても、大切な恋人がいても、何か足りない感じがしませんか?
そして、身体の関係をもつことで心に開いた穴が埋まり、満たされる感覚がありますよね。
身体の関係で心を満たそうとする理由は、次の3つが考えられます。
どの理由も、背景には家族や友人、加害者などが関係しています。
だから、身体の関係を求めるのは、あなたが悪いわけではありません。
この記事は
- 自分には何が足りなくて、身体の関係を求めてしまうんだろう?
- 身体の関係でしか愛情を感じられないのはなぜ?
- 自分はセックス依存症なのかな?
と悩んでいる人のために
ということを、臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。
性依存は心理的な理由があるんだよ
身体の関係がないと寂しさや不安を感じる
身体の関係がない生活は、何か物足りない感覚がありますよね。
たとえ大好きな恋人がいたとしても、身体の関係がないと寂しさや不安を感じます。
それは、次のような気持ちが心の中にあるからです。
- もっと自分を愛して欲しい
- 自分が大切な存在なのか不安
- 何のとりえもない自分の劣等感が大きい
もしかしたらピンとこないかもしれません。
それは、すでにこの感情を抑圧して、性行為自体に満足感を得るようになっているからです。
身体の関係を始めた当初は、この気持ちを抱いていたと考えられます。
もちろん、不特定多数の人と身体の関係をもつことには
- 性病になる
- 妊娠する
- 被害体験になる
- 法律を破ることになる
といったリスクもあります。
ただ、身体の関係を求めるのには、心理的な理由があるのです。
リスクについてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでみてください▼
身体の関係を繰り返すことで得ようとしているもの
身体の関係を繰り返すことで、何を得ようとしているのでしょうか?
身体の関係を求めることには、人それぞれの理由があります。
- 自分を愛し、求めてくれる場所を探している
- 性被害体験のトラウマから回復しようとしている
- 劣等感から逃避しようとしている
それぞれ詳しくみてみましょう。
自分を愛し、求めてくれる場所を探している
家庭環境が不安定で、親との関わりが薄い場合、自分を愛してくれる場所、求めてくれる場所が必要になります。
人間は生きていくうえで、「食べたい」「安全に暮らしたい」などいろいろな欲求が出てきます。
これを心理学者のマズローは「欲求5段階説」として提唱しました。
5段階のなかには、「友達や家族、社会に受け入れられたい」という欲求もあり、人間は「愛されたい」、「自分を受け入れて欲しい」と思うものなのです。
そのため、自分を愛し、求めてくれる場所を探して、身体の関係をもつ旅をします。
身体の関係は分かりやすく自分を求めてくれますし、愛情も満たされます。
自分に存在価値をも見いだせるでしょう。
ただ、本当に求められているのは体だけの場合もありますし、見かけだけの愛情かもしれません。
そうすると、身体の関係をもっているときだけは満たされている感じがするけれど、行為が終わればまた寂しくなります。
だから、愛情を得るために、何度も身体の関係を求めていくのです。
大好きな恋人が心の居場所となって満たしてくれればよいですが、気持ちを受け止めてくれなかったり、愛情が感じられなければ、恋人以外の異性(または同性)に身体の関係を求めることになるでしょう。
性被害体験のトラウマから回復しようとしている
身体の関係を繰り返している背景に、過去の性被害が関係している場合があります。
性被害体験は自分ではコントロールできない怖い体験です。
当時は何も抵抗できず、されるがままで、心には大きな傷を負っています。
辛い過去を抱えた心は、そのような無力な自分から、自分の主体性を取り戻そうと試みます。
同じような状況を無意識のうちに自分で作り出し、同じような体験をするのです。
そして、被害にあった当時はコントロールできなかった事態を、再体験のなかでコントロールしようとします。
性被害体験のトラウマにより、無意識に被害体験と同じ状況を繰り返し、その状況を乗り越えようと闘っているのです。
「トラウマの再演」ともいうよ
また、性被害体験により、自分が汚れたものと感じるようになることもあります。
そのため、「自分なんてひどい目にあって当然の存在だ」と思い、自分を傷つけるような性行為を繰り返します。
無意識なので自覚はしていないと思いますが、性行為を繰り返す理由は、過去の性被害体験にあるかもしれません。
そして、現在の性行為は、被害から回復する過程といえます。
劣等感から逃避しようとしている
日常生活のなかで、勉強や運動が周りと比べてできず、劣等感を感じている場合も考えられます。
友達にけなされたり、悪口を言われれば
「自分はできないヤツ」
「自分はダメだ」
と思えて、しんどくなります。
でも、身体の関係をもてば、自分は求められ、認められている感覚が得られます。
そのため、日常生活にいる嫌いな自分から逃げて、「できる自分」に満たされようと、身体の関係を繰り返すのです。
逃避することは悪いことではありませんが、生活するうえで日常とも付き合っていく必要がでてきます。
問題なのは、劣等感をもっていることです。
勉強や運動が苦手でもいいし、トロくてもドジでもいいのです。
自分は存在しているだけでOKと思えることが大切です。
身体の関係をもとうとすることも生きるための過程
身体の関係を繰り返して愛情を求める理由は人それぞれですが、どれも生きるためにしていることなのです。
だから、「自分の体を大切にして」という友達からのアドバイスは、心に響きません。
自分の心を大切にするための行為なのに、それが否定されている気がして、受け入れにくいですよね。
自分が否定された感覚になるよね
身体の関係をもってももたなくても、あなたには価値があります。
身体の関係をもたなくても、必要とされたい欲求を満たせる日がきっと来ます。
ただ、今は身体の関係が必要な時期なのかもしれません。
これから少しずつ、過去の体験を話したり、自分がありのままでいられるような、安心できて心が満たされる一つの場所を見つけていけばよいのです。
まとめ:心の穴を埋める身体の関係は回復のために必要なもの
足りない愛情や劣等感によって開いた穴を埋めるために、身体の関係を繰り返している人たちは、それぞれいろいろな背景を抱えています。
家庭環境の不安定さや、性被害体験、いじめなどから回復するための行為は、自分にとって必要なものなのです。
でもいつかきっと、身体の関係でなくてもそれが満たされる日が来ます。
そのために、過去の体験を話したり、自分がありのままでいられる場所を探してみましょう。
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