なんだか心が重く沈んでいるけれど、何が辛いのか自分でもよく分からないことってありますよね。
重い心のまま日常生活を送ろうとするけれど、なかなかしんどいものです。
自分なりになんとか対処しようとしても、気持ちが軽くなるのは一瞬だけということもよくあります。
この記事では
- なんとなく気持ちが落ち込んでいる
- はっきりとした原因が分からないけど心がモヤモヤする
という悩みを抱えている人のために
ということを臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
モヤモヤの姿が明確にできるよ
なぜか分からないけど辛いのは心の叫び
理由が分からないけど辛いのは、心が「疲れたよ」「助けて」と叫んでいるからです。
家や学校で頑張りすぎていませんか?
本当の自分を出せずに周りに合わせていませんか?
本音を抑えて気持ちを出さないよう我慢していませんか?
特別嫌なことがあったわけではなくても、今までの積み重ねで心が限界になっているのかもしれません。
なんとなく辛いという感覚は、心からのメッセージです。
まずは辛さを受け止め、自分の心の声に耳を傾けてみましょう。
今まで頑張ってきたんだね
理由の分からない辛さに繋がる体験
原因の分からない心のモヤモヤには、次のような気持ちが関係している可能性があります。
こんな気持ち抱えてない?
自分の存在が不確かになるような体験は、不安が高まり、辛い気持ちをもたらすのです。
誰からも必要とされない
誰からも必要とされないと感じると、自分の存在を認められていないように感じて、心が傷つきます。
心が傷つくのは、自分を大事に思う気持ちである「自己愛」が傷つくからです。
「自己愛」は心の健康に欠かせないものなんだ
必要とされないと感じる理由としては
- 条件をクリアしないと認めてもらえないと思っている
- 存在を認めてもらう経験が少なく自己肯定感が低い
- 過去の嫌な体験と似たような状況に陥っている
ということが考えられます。
心のモヤモヤには、親との関係や過去の経験が影響していることが多いのです。
必要とされない辛い気持ちを軽くするには、まず自分の認められたいという気持を受け入れてみるとよいです。
認められたいという気持ちは誰でも持っているものです。
そして、必要ない人なんていません。
「誰からも必要とされていない」と感じている人は、こちらの記事を読んでみてください▼
自分らしさが分からない
自分らしさが分からないと、自信もなくなって心が不安定になります。
特に中高生の時期は、「自分らしさ」を探す段階でもあります。
小さい頃に周りの大人から与えられてきた「自分はこういう人間」というイメージが、中高生になると自分の感覚で確かめられるようになります。
与えられてきた「自分」と実感としての「自分」にギャップを感じると、不安が高まって心がモヤモヤするのです。
また、本当の自分と周りに見せている自分が違う場合も、心に負担がかかってきます。
自分らしさについてもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
気持ちを分かってもらえない
人に相談したり気持ちを打ち明けたりしても、分かってもらえないと心がモヤモヤします。
それは、「受け入れられたい」「受け止めて欲しい」という欲求を人間は持っているからです。
また、気持ちを受け止めてもらうことで、頭の中が整理できたり、心がスッキリしたりすることもあります。
感情が言葉と繋がると気持ちが落ち着くよね
自分の気持ちを分かってもらえない理由としては
- 相手に完全に理解してもらおうとしている
- 気持ちを理解することが苦手な人に話している
- 話した相手は自分と同じ経験がない
という3つが考えられます。
気持ちを汲んでくれる相手に、伝わるような言葉で話すことで、分かってもらえることもあるのです。
家族に気持ちを受け止めてもらえない体験も、原因の分からない辛さに繋がることがあります。
気持ちを分かってもらえないと感じている人は、こちらの記事を読んでみてください▼
辛い時ほど誰かに頼るのが難しい
気持ちがモヤモヤしていて、誰かに相談してみたいと思っても、悩みを言葉にして伝えることは簡単ではありません。
- 「重い」と思われたくない
- 変だと思われたくない
- 嫌われたくない
という気持ちもあって、悩みは隠して「普通」にしている人も多いです。
何が辛いのか自分でも分からないと、余計に気持ちを言葉にするのが難しく、相談できなくなります。
ただ、心の叫びを無視して頑張り続けるのは危険です。
「落ちる時はあっという間」なので、「まだ大丈夫」と思って一人で抱えているうちに、精神的に崩れてしまいます。
人が限界まで頑張ってしまう理由には
- 闘争逃走反応で、ストレスに立ち向かおうとする
- ストレスに適応しようとする反応パターンがある
- 頑張っている自分に価値を感じている
ということが考えられます。
そして、「自分は相談するほどではない」と思い、相談できずにいるでしょう。
「相談」というとハードルが高いかもしれないので、誰かに少し気持ちを話してみるだけでもいいです。
「まだ大丈夫」と思って頑張っている人は、こちらの記事も読んでみてください▼
また、周りの目が気になったり、「迷惑をかけたくない」という思いから、相談できないでいる場合もあります。
周りの目が気になる原因は
- 中学生・高校生ならではの発達課題
- 生まれつき敏感な気質をもっている
- 過去のトラウマ体験の影響
- 自分の自信のなさ
などが考えられますが、社交不安症という病気が隠れている可能性も考えられます。
こちらの記事では、周りの目が気になる原因と対処法を詳しく説明しているので、参考にしてください▼
社交不安症のセルフチェックもできるよ
辛さを紛らわすために取りがちな対処法
心がモヤモヤして辛い気持ちを抱えていると、自分なりにその問題を対処しようとします。
その時に取りがちなのが
という方法です。
これらの方法が悪いわけではありませんが、一時的に問題から目を逸らしたり、気持ちを和らげたりするものであって、根本的な解決にはなりません。
そのため、他の方法が見つかるとよいですよね。
自分を傷つけること
リストカットやアームカット、根性焼き、OD、抜毛など、自分を傷つけることを自傷行為といいます。
自傷行為は
- 辛い気持ちが和らぐ
- 生きていることが実感できる
- 心の痛みを身体の痛みに置き換えられる
など人それぞれの目的で行われており、心の傷の応急手当とも言われます。
ただし
- 自傷の効果は一時的なもの
- 自傷はエスカレートしやすい
という問題点もあります。
そのため
といった気持ちを落ち着かせる方法を試してみるとよいです。
自傷行為を行っている人は、こちらの記事も読んでみてください▼
性的な関わり
ヒトと触れ合うことで、自分が大事にされている感覚が得られて、気持ちが落ち着くことがあります。
そのため、不特定多数のヒトと性関係をもつ人もいます。
セックスにより心を満たそうとする理由には
- 自分を愛し、求めてくれる場所を探している
- 性被害体験のトラウマから回復しようとしている
- 劣等感から逃避しようとしている
といったことが考えられます。
セックスを求める人のなかには、幼少期の家庭環境や過去のトラウマが影響している場合も多く、性行為が自分の心を守るための行為になっていることもあります。
セックスを求める理由について、詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでみてください▼
自分の心を回復させるためにセックスをしているんだね
ただ、不特定多数のヒトと性関係をもつことには、リスクもあります。
性病は不妊症の原因にもなりますし、避妊していても妊娠する確率はゼロではありません。
自分がいいと思ってやっている行為でも、思わぬトラブルから被害体験となり、心の傷を負う可能性もあります。
また、法律違反を犯した罰則を、自分を大事に抱いてくれた人が受けるかもしれないのです。
そのため
- 性交渉に対する自分の意思
- 体を売ることで何を得ようとしているのか
- 相手との関係性によるリスク
を一度自分なりに考えてみるといいです。
不特定多数の男性と性関係をもっている人は、こちらの記事も読んでみてください▼
辛さの原因を捉えるヒント
何が辛いか分からない辛さの原因は
といった方法で理解しやすくなります。
心がモヤモヤしているとき、その症状に名前をつけることが、自分を理解したり頭の中を整理したりする助けになるのです。
「だから辛いのか」って納得できるよ
自分にあてはまる概念を理解する
生きづらさの原因となっている概念を理解することで、自分の悩みが明確になり、解決のヒントがみえてきます。
この記事では次の5つの概念を紹介します。
自分にあてはまるものがあるか、気にしながら読んでみてください。
それぞれの概念について簡単に説明するね
HSP
HSPとは、敏感な気質を持った人のことです。
些細なことにも気づく特徴を持っているため、相手の気持ちを汲み過ぎて疲れてしまうことがあります。
HSPについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
発達障害
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方により、行動面や情緒面に特徴がある状態のことです。
発達障害には
- 自閉スペクトラム症
- ADHD
- 学習障害
などがあり、それぞれ特徴が異なります。
例えば、コミュニケーションの苦手さを特徴に持っている人は、友達との関係に悩むことがあります。
でも、コミュニケーションのパターンを学んだり、自分の癖を理解したりと、特性に合った工夫をすることで、生きづらさの解消に繋がります。
アダルトチルドレン
アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育って大人になった人を指す言葉です。
小さい頃からの家庭環境が影響して
- 人が信じられない
- 感情が分からない
- 自分のやりたいことが分からない
といった影響がでます。
アダルトチルドレンについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
ヤングケアラー
ヤングケアラーとは、家族のお世話をしている18歳未満の子どものことをいいます。
親や祖父母の介護だけでなく、兄弟の面倒をみている子どもも「ヤングケアラー」といえます。
家族のお世話は当たり前と思うかもしれませんが、子どもの時期を「子ども」として過ごせないことで、様々な影響がでるのです。
ヤングケアラーについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
トラウマ症状
トラウマとは、心に受けた大きな傷のことです。
その傷のせいで、気持ちがコントロールできなくなったり、集中できずにボーっとしたりすることがあります。
トラウマには他にもいくつかの症状があるので、気になる人はこちらの記事を読んでみてください▼
オリジナルの名前をつけて外在化する
自分にあてはまる概念が見つからない場合でも、自分自身で症状に名前をつけることが、悩みの解決のヒントになります。
名前をつけることで、問題を自分から引き離して捉えることができるのです。
例えば
「ちょっとしたことでイライラして相手を攻撃する」という問題
↓
「怒りん坊くん」と名前をつける
といった具合で、ニックネームをつけます。
それにより、「自分が問題なのではなく、問題が問題なのだ」と考えることができます。
症状に名前をつけて悩みを解決したい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
何が辛いか分からない辛さの対処法
辛さの原因が分からないと、対処するのは至難の業です。
自分の境遇や特性に名前をつけることで、辛さを理解しやすくはなります。
ただ、辛さがなくなるわけではありません。
それぞれの環境や特性にあった対処法もありますが、辛くて辛くて仕方がない時は、まずは次の方法を試してみてください。
やめられることをやめる
なぜかずっと辛くて、何もかもやめたくなるようなら、まずはやめられることからやめてみましょう。
- 勉強ばかりするのをやめる
- 「優等生」をやめる
- 明るく振る舞うのをやめる
- 家の手伝いをやめる
- 厳しい習い事をやめる
何かをやめることで、ストレスの原因が見えてくることもあります。
やめられそうなことはありますか?
ゆっくり休む
心が「疲れた」「助けて」と叫んでいる時には、十分な休息が必要です。
ゆっくり休めそうであれば、まずはゆっくり休んでください。
たくさん眠ってもいいです。
好きなことをして過ごしてもいいです。
ダラダラしてもいいです。
生きていればそれだけでOK
信頼できる人に話す
原因の分からない辛さを言葉にするのは難しいです。
「相談」というとハードルも高く感じます。
だから、まずは誰かに今の気持ちを話してみてください。
「なんかしんどいんだよね…」と言うだけでいいです。
話すだけでも気持ちが楽になることもあります。
- 近くに相談できる人がいない…
- リアルの知り合いに話すのはハードルが高い…
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バーチャル談話室について、詳しくはこちらの記事を読んでみてください▼
まとめ:理由の分からない辛さは心のSOS
何が辛いか分からないけど辛いという心の悩みには、今まで我慢してきたことや自分を大切にしてもらえなかった体験が関係しています。
誰かを頼ることも難しく、自傷行為やヒトとの性関係で辛い気持ちを和らげて、「普通」を装っている人もいると思います。
でも、自分を理解するための概念や症状に名前をつけることで、自分が悪いわけではないことが分かり、気持ちが楽になります。
そしてモヤモヤを言葉にして、信頼できる人に投げてみてください。
生きづらさとなっている悩みが、きっと解決に近づきますよ。
「信頼できる人がいない」「相談できる人がいない」と悩んでいる人は、こちらの記事も読んでみてください▼
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