「寝ると明日になってしまう…」
「朝が来るのが怖くて寝たくない…」
このような不安があると、眠れず、夜も怖くなりますよね。
実際に私がそうでした。
でも、ストレスの原因を取り除くことで、精神的にも回復し、現在は問題なく眠れています。
この記事では
- 朝が来るのが怖くて寝たくない
- 明日が怖くて眠れないのは自分だけ?
と悩んでいる人のために、専門的な視点を踏まえながら、私の体験談を綴ろうと思います。
眠れない原因や症状、感覚は人それぞれなので、あくまで一つの事例として、参考程度に読んでみてください。

寝れなくなった頃の身体の不調

私が寝れなくなったのは、心理の仕事を始めて2年目のことです。
上司の理不尽さが原因でした。
精神的にしんどいなか、なんとか休まず仕事に行っていましたが
- 毎朝、職場に着くとお腹を壊す
- 職場で食べる昼食の味が感じにくくなる
- 悪夢を見るようになる
など、少しずつ症状が出てきました。
同じ職場の心理士の先輩が、「眠れなくなったら、もう危険」ということを言っていたので、それを一つの判断基準に、しばらくは耐えていました。
睡眠時間の長さは人それぞれ。
年齢によっても異なって、小さな子どもはたくさん寝るけど、高齢になると長くは眠れなくなります。
- 日中頭が痛くなる
- 授業中眠気がある
といった問題がなければ、寝れないことを深く悩まなくても大丈夫です。
寝ると朝が来てしまうという怖さ

悪夢を見るようになって、寝るのが嫌になっていました。
夢のなかでも上司に理不尽なことを言われ、怒鳴られるのです。
そんな夢、できれば見たくない…。
そして何より、寝たら明日になってしまう。
朝が来たらまた仕事に行かないといけない。
それが恐怖でした。
もちろん寝なくても明日は来るし、寝た方が少しは体が休まるかもしれません。
でも、その頃には、夜になると頭のなかで警告音が鳴っているような感覚がありました。
いわゆる過覚醒状態だったのだと思います。
おでこに近い頭の前側で「カーンカーン」とサイレンが鳴っているような感覚を感じながら、毎晩布団に入っては、「寝たくない」という気持ちと戦っていました。
それでもいつの間にか朝になっていて、寝つきが悪いなかでも少しは眠れていたのだと思います。
ただ、朝スッキリと目覚めることはなくなっていました。
夜になるとネガティブな考えがグルグルと頭の中を回ることもありますよね。
ネガティブ思考が頭から離れなくなる理由については、こちらの記事で説明しているので、読んでみてください▼
精神科を受診しようという決断

眠れない日(正確には寝たくない日)が続き、もう限界だと思って近所の精神科を探しました。
精神科は予約が取れても数週間後と混んでいることも多いです。
しかし、ついていることに近所の病院はすぐに予約がとれました。
受診当日、病院では次のようなことをしました。
- 待合室にて、問診票と簡単な抑うつ尺度を記入する。
- 診察室にて、精神科のお医者さんとお話する。
抑うつ尺度の記入
問診票と一緒に、抑うつ尺度に回答しました。
これは、自分の身体や心の状態について、それぞれの質問項目にどの程度あてはまるかを答えていくものです。
具体的な尺度の名前は忘れてしまいましたが、自分でも「だいぶ状態が悪いな」と思う回答でした。
精神科医とのお話
診察室に入ると、精神科のお医者さんが話を聞いてくれました。
- 現在の症状
- 思い当たる原因
などを聞かれ、ポツポツ話す私の言葉を親身になって聞いてくれました。
話しているうちに、自然と涙が出てきて、お医者さんはスッとティッシュを差し出してくれました。
仕事を休むように言われましたが、大事な仕事が残っていたので、薬の処方をお願いしました。
デパスという、不安や緊張、不眠を改善する薬を処方してくれました。
睡眠には3つのシステムが関連しています。
このシステムがうまく働かなくなると「眠れない」ということが起きるのです。
たとえば
- 夜型という体質のせいで夜になっても眠くならない
- 夜勤がある仕事をしているため夜になっても眠くならない
- 脳から睡眠に関する指令がうまく出せていない
- 不安や抑うつによって緊張状態が続いている
といったことが、「眠れない」状態にしている可能性が考えられます。
体質や体調、環境、ストレスなど様々なものが「眠れない」原因になりうるのです。
薬を飲んでも怖さは解決しなかった

休日の夜、初めて処方された薬を飲みました。
次の日も仕事が休みだったおかげか、薬を飲んでよく眠れた気がします。
しかし、翌日の夜、再び薬を飲むと体の力が抜けるとともに、涙が出て止まらなくなりました。
張り詰めていた緊張の糸が切れたような感覚でした。
次の日が仕事ということもあり、気を張っていたところ、薬の作用でその緊張が緩和され、涙となって溢れてきたのでしょう。
体は怠いし、止まらない涙にプチパニックのまま、心理士の先輩に連絡しました。
そして翌日の朝、起き上がることはできず、そのまま仕事を休みました。
薬を飲んでどうにか頑張ろうと思ったのですが、心も身体も限界だったんですよね。
無理は禁物。
その日の午後、職場に行って相談し、しばらくお休みをもらうことになりました。
薬は、病院で処方してもらえるものと市販薬として売られているものがあります。
その種類は多く、自分の症状に合った薬を使用する必要があります。
市販薬は手軽に手に入りますが、あくまで「睡眠改善薬」で、抗ヒスタミン薬の副作用を使って眠気を引き起こします。
そのため、耐性ができやすく、長期使用には向きません。
テレビCMでよく見かける「ドリエル®」の添付文書には、使用上の注意として「日常的に不眠の人には服用しないように」と書かれています。
病院受診はハードルが高いかもしれませんが、できるだけお医者さんに自分に合った薬を処方してもらいましょう。
精神科や心療内科、中学生の場合は児童精神科やかかりつけの小児科で相談してみてもよいですね。
病院受診について親に相談しづらい時は、学校の先生や身近な大人など、話しやすい人に相談してみてください。
仕事を休めば朝が来るのは怖くない

仕事を休み始めて数日間、寝る前の薬は飲み続けました。
薬を飲むと身体が重たくなる感覚がありましたが、涙が止まらなくなるということはありませんでした。
しばらくは、家に引きこもって好きなアニメを三角座りで見る日々が続きました。
「明日になっても仕事にはいかなくていい」
「朝が来ても理不尽に怒鳴られることはない」
その安心感から、眠れなくて悩むといったことはなくなりました。
不眠の原因は人それぞれ違います。
いくつかの原因が絡み合っている場合もあります。
自分でも明確に分からないこともあると思いますが、次の方法を試しながら「眠れない」悩みを解決に導いていきましょう。
仕事や人間関係がストレスとなって眠れない場合もあります。
その環境から抜け出せるのであれば、環境を変えることも一つの手です。
学校を休んでみるのもいいし、別室登校や適応指導教室の利用を考えるのもいいのです。
また、寝る環境が明るすぎたり、うるさかったり、暑かったり寒かったりして眠れない場合もあります。
自分が快適に眠れるように、室温や明るさを調整してみてください。
特に「光」は睡眠との関係が大きいです。
日中は太陽の光を浴びて、寝る前は薄暗い部屋でゆったりする時間を作るのもよいでしょう。
どうしても眠れない場合は、薬の力を借りるのも悪くありません。
薬は不眠を「治す」ものではありませんが、眠れるように手助けしてくれます。
一人で悩まずに、医療機関や専門家に相談してみましょう。
精神的な回復には時間がかかるもの

朝が来るのが怖くなくなっても、心に負ってきたダメージがすぐに回復することはありません。
私の場合は、仕事を休む前から転職活動をしていたものの、なかなか新しい職場は決まりませんでした。
今考えると、精神的ダメージのせいで頭があまり働かず、採用面接でもまともな答えができていなかったのではないかと思います。
仕事を休んで数か月経つと
「こんなに休んでいてはダメになる」
「何らかの形で社会との繋がりをもちたい」
と思うようになり、ボランティア活動を探し始めました。
回復に向かっているように感じるこの行動ですが、実はこれ、回復途中で陥りやすい状態です。
調子がよい日が続くことで、「もう大丈夫なのでは」と感じて活動的になったり、仕事復帰への焦りや不安を感じ始めたりするのです。
しかし、この時期に無理をすると、症状が悪化することもあります。
結局ボランティア活動はせず、ゆっくりと回復を待ちながら、新しい職場を探しました。
そして、転職した今は、周りの人にも環境にも恵まれています。
それでも理不尽な上司の言葉が頭をよぎったり、上司に似ている人を見かけると恐怖を感じたりということは続き、完全回復といえるまでは2年ほどかかりました。
精神的な回復には時間がかかるものなのです。
まとめ:寝るのを怖くさせているストレスを取り除くことが肝心
「朝が来るのが怖い」「寝たくない」と思う背景にあるものは何ですか?
私の場合は、職場でのストレスが原因でした。
そのため仕事を休むことで「眠れない」状況から脱することができ、職場を変えることで原因となっていたストレスはなくなりました。
しかし、完全な回復には長い時間がかかりました。
長く無理を続けた分だけ、心はダメージを受け、回復にも時間を要するようになります。
一人で抱え込まずに、なるべく早く周りの人に相談したり、医療機関を受診したりするようにしてください。
あなたに安心して眠れる日が訪れることを、私も願っています。
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