自分のことが嫌いだと、自信も持てず、生きていていいのだろうかと感じますよね。
- 何をやっても失敗ばかり…
- 人に流されてばかりで自分が分からない
- 自分のことは誰も必要としていない…
このように感じる日々を送っていると、自分が嫌いになるし、生きるのもしんどくなります。
自分のことが嫌いで自信がない、自信がない自分がさらに嫌いになるという負のループに陥ってしまいます。
でも、生きてはいけない人なんていません。
あなたもここに居ていいのです。
この記事では
ということを臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。

自分のことが嫌いな原因

自分のことが嫌いなのには、いくつかの原因が考えられます。
次の中で自分にあてはまるものはありますか?
原因は一つとは限りません。
それぞれ詳しくみてみましょう。

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小さい頃から自分をあまり認めてもらえなかった
幼少期に親(養育者)から認めてもらう機会が少ないと、自分のことを嫌いになることがあります。
例えば
- あなたはできない子ね
- そんなことも分からないの?
- どうせやっても無駄よ
という言葉をかけられて育つと、自分はダメなんだというイメージがつき、自分のことが嫌いになってしまいます。
直接否定的な言葉をかけられていなくても、冷たい態度をとられたり、褒められる経験・認めてもらう経験が少ないと、「自分は自分でいいのだ」という感覚が育ちにくいです。
自分に対する自分自身の気持ちは、小さい頃に誰かから向けられた気持ちが大きく影響するのです。
親からの影響についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事も読んでみてください▼
完璧にできないと許せない自分がいる
完璧主義だと、自分への評価が厳しくなり、自分のことが嫌いになることがあります。
他人から見たら小さなミスも、自分にとっては「完璧ではない」ことが許せないのです。
完璧主義な性格は、小さい頃の親からのメッセージや、もともと持って生まれた特性が影響していることが考えられます。
どんな人にも欠点はあるものですが、完璧を求めているため、小さなことでもできない自分が嫌になってしまうのです。
大きな失敗をした経験がある
過去の大きな失敗をした経験をきっかけに自分が嫌いになってしまうことがあります。
例えば私の友達は、文化祭で自分が考えた演劇を行うことになり、張り切ってクラスをまとめていたけれど、その演劇で賞をとることができなかったことに落ち込み、自信を失ってしまいました。
ある出来事をきっかけに
- あの時もっとこうしたらよかった…
- 自分のせいでみんなに迷惑をかけた
というような「後悔」や「罪悪感」が心の中に広がっていきます。
周りから見たら「失敗」ではないことも、自分にとっては「大きな失敗」に感じて、自分が嫌いになってしまうこともあるのです。
いじめられた経験がある
他人に否定的な言葉を言われたり、酷いことをされたりすると、心が傷つき、自分を嫌いになることがあります。
いじめは決してあってはいけないことです。
どんな理由があっても、人を傷つけることはよくありません。
- 自分が先にふざけすぎたんだ
- 暗い性格だからいじめられるんだ
- 反論できない自分がダメなんだ
と思うことがあるかもしれません。
そのせいで自分のことが嫌いになることもあります。
でも、どんな理由も「いじめられても仕方ない理由」にはなりません。
人が人を傷つけていい理由は、本当はどこにもないのです。
自分らしさが分からなくなっている
もしあなたが10代なら、思春期や自分らしさを作る課題が影響して、自分を嫌いになっているのかもしれません。
10代は子どもから大人になる準備をする段階です。
小さい頃は気にならなかった周りの目が気になるようになり
- こんな自分でいいのかな
- みんなに嫌われてるんじゃないかな
と不安になります。
これは自分らしさを作る過程で自然に起こる気持ちです。
しかしこの不安の高まりが、自分を嫌いになる原因になることもあります。
自分らしさについて詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてください▼
自己肯定感が低いと自分を嫌いになりやすい

「自分が嫌い」という気持ちには、自己肯定感が関係しています。
自己肯定感とは
「自分は大丈夫。いいところも悪いところも含めて自分」
と思う気持ちのことです。
この自己肯定感が低いと
- どうせ自分なんて…
- 私なんかいても意味ない
という気持ちが強くなり、「自分なんて嫌いだ」と思ってしまいます。
ここから抜け出すには、まず自己肯定感の低さがどのような影響を与えているのかを知ることが大切です。
自己肯定感の低さと、自分が嫌いという気持ちがどう繋がっているのかを、詳しくみてみましょう。
自己肯定感の低さは自己否定に繋がる
自己肯定感が低いと、何かうまくいかないことがあったときに
- 自分はダメだ
- どうせ何をやっても無駄だ
と考え、「自分の価値がない」と結び付けてしまいます。
たとえば、友達に素っ気ない態度を取られたとき、
機嫌が悪いのかな?
と思うのではなく
自分が嫌われてるんだ
と感じてしまいます。
また、始めたばかりのバイトでうまくいかなかったときに
まだ慣れてないから仕方ない
と思うのではなく
やっぱり自分には無理だ
と思ってしまいます。
他人と比べて劣等感も持ちやすく、自分の存在そのものを否定する考えになりやすいです。
自己肯定感の低さから自分嫌いになる負のサイクル
自己肯定感の低さは自己否定に繋がり、小さな失敗でも「自分はダメだ」と思ってしまいます。
そのため、自己否定をする機会が多くなり、どんどん自分が嫌いになってしまいます。
また、他人の評価を気にしやすいことから、自分らしくいられなくなります。
自分らしくいられない自分は、どうも好きになれず、ここでもさらに自分が嫌になってしまいます。
自己肯定感の低さが、自分を嫌いにさせ、なかなか抜け出せない負のサイクルを生み出す原因となるのです。
自己肯定感が低いと存在価値も見失う
自己肯定感が低くて自己否定を繰り返し、どんどん自分のことが嫌いになると
- 自分なんて必要とされていない
- 自分がいても意味がない
と感じることが増えて、生きること自体が辛くなってしまいます。
生きるのをやめたくなる気持ちには、自己肯定感の低さが関係しているのです。
嫌いな自分には自信がもてない

「嫌いな自分」を変えるために「自信を持ちたい」と考えている人もいると思います。
ただ、簡単に自信をつけることができないから、悩んでいるのではないでしょうか。
なぜ自信がもてないのか、どうすれば自信がもてるようになるのかをみてみましょう。
土台となる自己肯定感の低さが原因
自信は「成功体験」だけで育つわけではありません。
根本には「自分はこれでいい」という感覚が必要です。
この感覚は、上で述べたように「自己肯定感」と呼ばれています。
自己肯定感が低いと、たとえ成功しても
「たまたまうまくいったんだ」
「自分の実力ではないんだ」
と思いがちです。
結果として自信を持つことができず、自分嫌いが続いてしまいます。
自信感の形成に必要なもの
自信感を構成する要素について調べた研究では、自信感は4つの要素で形成されていることが示されています。
- 自己肯定感
- 人間関係構築力
- 有能感
- 立ち直り力
これらはすべて高くなければいけないわけではなく、それぞれが自信感を支える要素として影響しています。
また、過去の経験も自信感の形成に関わります。
たとえば
- ほめられた経験
- 努力して達成した経験
- 困難を乗り越えた経験
は、自信感に繋がることが研究でも示されています。

自信は過去の経験や自分自身が感じている感覚が影響しているんだね
自信をつけるよりまず自己肯定感を育てることが大事
自信をつけるには、上で述べたように
- ほめられた経験
- 努力して達成した経験
- 困難を乗り越えた経験
を積み重ねることが有効だと考えられます。
しかし、これらの経験があっても、自己肯定感が低いと
「たまたま成功しただけ」
「自分の実力ではない」
と思い込みやすく、自信につながりにくいです。
つまり、自己肯定感が低いままでは、自信感を形成する他の要素が十分に機能しない可能性があるのです。
逆に、自己肯定感があると、たとえ失敗しても
「自分ならまた挑戦できる」
と思えるため、立ち直る力や有能感を高めやすくなります。
このように、自信をつけるには、まず土台となる「自己肯定感」を高めることが必要といえます。
自分を好きになる方法

これまで述べてきたように、自分を好きになるには、自己肯定感を高めることが有効です。
では、どのようにすれば自己肯定感を高められるのでしょうか?
よくある対処法は簡単ではない
自分を好きになる方法について検索すると、次のような対処法がでてきます。
- いいところに目を向ける
- 変えられる部分に目を向ける
- 完璧を求めすぎない
- 他人と比べない
- ありのままの自分を受け入れる
- NOを言える人間になる
- 趣味を作る
- 誰かに相談する
たしかにこれができたら自分を好きになれるかもしれません。
ただ、やろうとして簡単にできるものではないように感じませんか?
上の項目を見て
「自分にはいいとこなんて一つもないよ…」
「他人と比べるつもりはないのにどうしても比べちゃう」
「趣味なんて何もない」
と思いませんでしたか?
簡単に解決できないからここまで苦しんでいるのです。
自己肯定感が低いと「自分には無理だ」と感じやすいです。
そのため上の項目が「難しい」と感じるのは当然です。
自分との小さな約束を一つだけすること
自分を好きになるために、難しいことはしなくていいです。
まずは、ほんの小さな約束を自分と交わし、それを守ることから始めてみましょう。
- 朝起きたらカーテンを開ける
- 出かける前に鏡を見る
- 夜寝る前に深呼吸をする
本当に小さなことでいいです。
今ほとんどできていることでもいいです。
たった一つだけでいいです。
自分との約束を守って「自分はちゃんとやれた」という感覚を積み重ねてみてください。
そしてその時の感情をじっくり味わってください。
そうすることで、自己肯定感が少しずつ育っていき、自分を好きになることができます。
まとめ:嫌いな自分でも生きていていい
自分が嫌いで自信がないのには、自己肯定感の低さが関係しています。
自己肯定感は自信の土台になるものです。
自分に存在価値を感じられないのも、自己肯定感の低さのせいです。
あなたは悪くない。
自己肯定感が低くてもいい。
自分のことが嫌いでもいい。
どんなあなたでも生きていていいのです。
まずは自分とほんの小さな約束を交わしてみてください。
守れなくても大丈夫。
自分を責めなくていいですよ。
もっともっと小さな約束に変えましょう。
そして約束を守れた自分が感じる感情をじっくり味わってみてください。
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