学校生活がつらい…教育相談所で相談できる内容とサポート例

心の相談窓口

家と学校を往復する学生時代…

学校生活がつらいと、生活すべてがしんどくなりますよね。

そのつらさを相談できるのが「教育相談所」です。

この記事では

人間関係がしんどいから学校に行きたくない…

授業についていけなくて学校が嫌だ…

と悩んでいる人のために

  • 学校関連のことは教育相談所で相談できる
  • 実際に教育相談所であった相談事例
  • 教育相談所への相談の流れ

を臨床心理士のあたるが分かりやすく説明します。

あたる
あたる

学校生活の悩みを相談して気持ちを軽くしよう

この記事を書いた人
\あたるです/
  • 子どもの心理に携わって10年
  • 臨床心理士・公認心理師
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  • バーチャル談話室もやってます

学校生活がつらいと感じる原因

学校生活がつらいと感じる原因は人それぞれです。

日本財団がおこなった「不登校傾向にある子どもの実態調査(2018)」で示された、中学生が学校に行きたくない理由TOP5はこちらです。

⑥_①~⑤非該当①-1_1年間に合計30日以上、学校を休んだことがある/休んでいる①-2_1週間以上連続で、学校を休んだことがある/休んでいる②~④_学校には行くが授業には参加しない⑤_授業にも出るが心の中では学校に行きたくない
1疲れる朝、起きられない疲れる疲れる疲れる
2位朝、起きられない疲れる朝、起きられない朝、起きられない朝、起きられない
3位テストを受けたくない学校に行こうとすると、体調が悪くなる自分でもよくわからない授業がよくわからない・ついていけない学校に行く意味がわからない
4位自分でもよくわからない授業がよくわからない・ついていけない友達とうまくいかない友達とうまくいかない学校は居心地が悪い
5位小学校の時と比べて、良い成績が取れない学校は居心地が悪い授業がよくわからない・ついていけない小学校の時と比べて、良い成績が取れないテストを受けたくない
参考元:不登校傾向にある子どもの実態調査(2018)|日本財団
あたる
あたる

学校は「疲れる」と感じている子が多いんだね

学校という場で過ごしていると、心と身体が疲れる出来事もたくさんあります。

ストレスが身体に出て、体調が悪くなるということもあります。

もちろん、自分でも理由が分からないけれど、学校に行きたくないということもあります。

原因は一つではなく、複数のことが絡み合っていることもありますが、大きく分けると次の3つの原因が考えられます。

一つずつ詳しくみてみましょう。

人間関係の悩み

誰とでも仲良く遊んでいた幼稚園時代とは違い、小学校、中学校にあがるにつれ、人間関係は厳しくなっていきます。

  • いじめ
  • スクールカースト
  • 先生との相性
  • 先輩との接し方
  • 友達に合わせるしんどさ

などの影響を受け、学校生活がつらいと感じるようになることがあります。

中学生くらいになると、友達グループがハッキリ分かれ、スクールカーストができます。

上位グループの言いなりになり、下位グループの人は窮屈な思いをしているかもしれません。

グループから省かれないように、友達に合わせるのがしんどいと感じているかもしれません。

また、中学校になると、科目ごとに先生が変わります。

担任の先生、部活の顧問の先生など、いろいろな先生との関わりが出てきます。

先輩とも敬語を使ったり、後輩がやらないといけない仕事があったり、裏校則があったりもするかもしれません。

いじめはあってはいけないことですが、いじめにあうのはとても辛いです。

このように、学校では人間関係の悩みが尽きません。

学習面のついていけなさ

学校の勉強についていけないと、学校生活がつらいと感じることがあります。

「先生の言っていることがわからない…」

「勉強してもしても成績があがらない…」

「授業に集中できない…」

小学校に入ったばかりの頃はついていけていた勉強も、3,4年生頃になると少しずつ難しくなってきます。

中学、高校にあがるにつれてどんどん難しくなる授業…

分からないのに席に座って授業を聞いていないといけないのは苦痛なものです。

「先生の言っていることが分からない」と悩んでいる人は、こちらの記事も読んでみてください▼

「学校」という環境の問題

学校は集団で活動する場です。

決められた教室で、決められた席に座って、決められたクラスメイトと、決められた勉強をする…

自分のペースで何かすることは難しいですし、集団の場は騒がしくて苦手に感じる人もいます。

集会や行事があると、学年や全校生徒での集まりとなり、さらにストレスが高まるかもしれません。

学校生活がつらい時に相談できる「教育相談所」

学校生活がつらいと感じていることを、誰かに相談できていますか?

  • 家族
  • 学校の先生
  • 友達
  • 塾の先生
  • スクールカウンセラー

たくさんの選択肢があるなかで、さらに学校生活について相談できる場所があります。

それが教育相談所です。

教育相談所は次のような特徴があります。

詳しくみてみましょう。

学校関連のことはなんでも相談できる

教育相談所で相談できる内容は

  • 発達に関すること
  • いじめ
  • 不登校
  • 問題行動
  • 体罰

といったことです。

「勉強が分からない…」

「いじめにあっている…」

「学校に行きたくない…」

などの学校関連のことが相談できます。

教育相談所は自治体ごとに設置されている

教育相談所は、都道府県や市町村ごとに設置されています。

地域ごとに相談所の数は異なり、地域によって特徴も違います。

近くの教育相談所を検索するときには

というように、自分の住んでいる地域の名前で検索してみてください。

幼児~高校生とその保護者、教職員等が相談できる

教育相談所は未就学児から高校生を対象にしています。

ただし

対象年齢

市町村教育相談所:未就学児~中学生

都道府県教育相談所:未就学児~高校生

というようにすみ分けされています。

あたる
あたる

公立学校も中学は「市町村立」高校は「都道府県立」だもんね

教育相談所を利用した相談事例

実際にどのような相談をして、どのように対応されているのかが分からないと不安ですよね。

教育相談所ごとに、相談事例を公開しているので、参考にみてみましょう。

今回は山形県教育センターが公開している事例を一部抜粋して紹介します。

部活動に馴染めない中1男子

本人の「学校面白くない」という言葉を心配し、母が電話相談。

3日後に両親のみで教育相談所へ。

相談のなかで

  • 学級担任にはまだ相談していない
  • 本人は担任に良い印象を持っている

ということが分かり、担任との連絡の取り方や具体的な伝え方を検討。

その後先生の援助もあり、本人は

  • 意欲的に期末テストに臨む
  • 元気に部活動を頑張る

と変化したとのことです。

学校に行きたくない小3女子

本人の体調不良と登校の渋りで、母が電話相談。

1週間後に本人と母が教育相談所へ。

相談の経過
  • 初回面接
    母子同室で面談

    遊戯室で母、子、相談員の3人でお話する

  • 途中から
    遊具も使用

    子どもとの遊びを取り入れる

  • 2回目
    母子別室で面談

    母は相談室、子どもは遊戯室で面談

母子別室での面談では、母と相談員は、本人のこと、家族のこと、学校のことをじっくり語り合いながら、親としてできることを考えるようにしています。

あたる
あたる

遊びも心理療法の一つ。「プレイセラピー」というよ。

親と別室で相談できると、自分の気持ちや考えも話しやすくなりますよね。

教育相談所での相談の流れ

実際、教育相談所で相談したい時、どのような流れで相談すればよいのかみてみましょう。

相談の流れ
  • Step1
    教育相談所に電話する
  • Step2
    電話または来所で相談する
  • Step3
    心理士に話を聞いてもらう
  • Step4
    継続して面接or相談を終結する

Step1:教育相談所に電話して相談を申し込む

まずは近くの教育相談所に電話をしてみましょう。

相談は基本的に予約制のため、電話せずに直接行くと、相談員さんが予約でいっぱいで話を聞いてもらえないことがあります。

そのため、電話でまずは相談したい旨を伝えましょう。

Step2:電話または来所で相談する

相談方法は

  • 電話で相談する
  • 相談所に行って対面で相談する

という方法があります。

電話で相談する場合は、相談の申し込みをした電話でそのまま話を聞いてもらえるかもしれません。

そのため、あらかじめ相談したい内容をまとめておくとよいですね。

相談所に行って対面で話したい場合は、電話で申し込んだ時に来所日を決めます。

自分の予定のあいている日を確認しておくとよいです。

Step3:心理士に話を聞いてもらう

教育相談所には、臨床心理士や公認心理師などの資格を持った相談員がたくさんいます。

電話や対面で、自分の悩みや思いを話してみてください。

相談所に行って相談する場合は、他の人に話が聞こえないよう、個室の面接室で相談をします。

親子で相談に行く場合は、親とは別の部屋でお話することもできます。

子ども用の面接室には、プレイセラピー用の遊具がある場合もあります。

専門家に無料で相談できるチャンスです。

思っていること、感じていることを自分のペースでいいのでぶつけてみましょう。

Step4:継続して面接or相談を終結する

1回の面接はだいたい50分程度です。

継続して面接が必要な場合は、1~2週間後に面接の予約をとります。

悩みが解決して相談を終える場合は、そこで終結となります。

一度相談を終えても、また困ったことがあればいつでも相談することができるので、その時はまず電話で申し込みをしてみてくださいね。

教育相談所と学校との関係

「教育相談所」と聞くと、学校と繋がっていて心配に思うこともあるかもしれません。

でも情報が筒抜けということはありませんので安心してください。

もちろん必要であれば学校と連携をとることもできます。

学校にバラされる心配はない

教育相談所の相談員は守秘義務を持っています。

そのため、相談で聞いたことを不必要に話したりはしません。

もし学校と連携するために、情報を伝える必要がある場合は、学校に話す前に

「この話を学校ともしていいか」

確認されるはずです。

相談者の同意を得て初めて、学校や関係機関と情報を共有します。

「学校にバラされたくないから相談するのはちょっと…」

と思っている人は、安心して相談して大丈夫です。

学校と連携してもらえることのメリット

学校と連携してもらえることにはメリットもあります。

たとえば、相談員の専門的な視点から、学校に子どもである自分の状態を伝えてもらうことで

  • 自分に合った学習支援をしてもらえる
  • 保健室やカウンセリングルームが利用しやすくなる
  • 先生の関わり方が変わる

といったこともあります。

つらい学校生活が少しでも改善されるのであれば、教育相談所でただ相談するより、解決策を学校と一緒に考えられるといいですね。

まとめ:学校生活がつらいなら教育相談所で相談してみよう

学校は「疲れる」という理由で行きたくない人はたくさんいます。

人間関係の悩みや勉強の悩み、学校という集団の場の苦手さなど、原因は複数あるかもしれません。

その悩みを相談できるのが教育相談所です。

地域ごとにある教育相談所では、心理士などの専門家が個別に話を聞いてくれます。

「学校生活がつらい…」と一人で抱えて耐えるのではなく、まずは一度相談してみてください。

  • 相談所を利用するのは怖い…
  • 近くに相談できる人もいない…

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あたる
あたる

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