なんだか生きづらいと、生きる意味が分からなくなってしんどいですよね。
- いつもぼっちで友達が一人もいない
- 素でいられる場所がない
- ダメな自分が大嫌い
このような気持ちを抱えながらも、何が原因か分からないと、解決の兆しも見えず辛いものです。
生きづらさの原因には
- 人間関係
- 学業不振
- 家庭環境
- 性格や特性
などがありますが、大きく分けると特性と環境の2つの原因が考えられます。
そしてその生きづらさの原因は
といった概念によって理解しやすくなります。
さらに、問題を外在化させたり、信頼できる人に相談したりすることで、生きづらさは少しずつ変わっていきます。
この記事では、生きづらさを理解しやすくする概念と、生きやすくなるための対処法について、臨床心理士のあたるが、分かりやすく説明します。
生きづらさの解決のヒントが見つかるよ
生きづらさの原因として考えられる2つのこと
生きづらさの原因には、さまざまなものが考えられます。
警察庁が示している「令和5年中における自殺の状況」で、小中高生の自殺の原因・動機についてみてみると
となっており、学校問題では学業不振や進路に関する悩み、学友との不和(いじめ以外)が多かったとされています。
これらの生きづらさの原因に隠れている根本的な問題は、大きく次の2つに分けられます。
- 生まれつきの特性
- 周りの環境
先天性のものか、後天性のものかという違いともいえます。
もちろん、2つが絡み合って生きづらくなっている場合も多いですが、ここでは理解しやすいように2つに分けて説明します。
生まれつきの特性
もって生まれたものが、生きづらさに繋がっている場合があります。
例えば
- 性格
- 得意・不得意
- 発達特性
などが挙げられます。
大きく変えることは難しいかもしれませんが、特性に合った工夫をすることで、生きづらさが解消されます。
周りの環境
家の環境や学校の環境など、周りの環境が生きづらさに影響している場合があります。
例えば
- 家庭内で暴力や暴言がある
- 学校でいじめがある
- 自分の意見が言いづらい
などが挙げられます。
この場合は、環境を変えることが、生きづらさの解消に繋がります。
ただ、生活環境を変えることは簡単ではありません。
そのため、居場所となる環境を増やすことで、生きづらさを軽減させる方法もあります。
対処法①:概念を知って生きづらさを理解する
生きづらさの原因に名前がつくと、心の状態が理解しやすくなります。
「だから気持ちが沈むのか」って納得しやすくなるよ
ここでは、次の5つの概念を紹介します。
- HSP
- 発達障害
- アダルトチルドレン
- ヤングケアラー
- トラウマ
HSPと発達障害は、生まれつきの特性で、アダルトチルドレン、ヤングケアラー、トラウマは環境による影響を受けた人のための概念です。
HSP
HSPとは、敏感な気質を持った人のことです。
The Highly Sensitive Person(とても敏感な人)
の頭文字をとってHSPと呼ばれています。
HSPには
- 処理の深さ
- 刺激に過敏
- 情緒的反応
- 些細なことにも気づく
という4つの特徴があります。
例えば
などで悩んでいる場合は、HSPという概念が役立ちます。
HSPについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
自己診断テストも載ってるからやってみてね
発達障害
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方により、行動面や情緒面に特徴がある状態のことです。
発達障害には
- 自閉スペクトラム症
- ADHD
- 学習障害
などがあります。
それぞれ特徴が異なり
といったものが挙げられます。
生活の中で、特性に合った工夫をすることが、生きづらさの解消に繋がります。
アダルトチルドレン
アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育って大人になった人を指す言葉です。
機能不全家族には
- アルコールや薬物依存症を抱えている家族
- 暴力や虐待のある家族
- 親の欲求が優先される家族
の3パターンがあり、子どもに
といった影響をもたらします。
アダルトチルドレンは、家庭で担ってきた役割によって、次の7つのタイプに分けられます。
- ヒーロー(責任を負う子)
- ロスト・チャイルド(忘れられた子)
- プラケイター(なだめ役)
- スケープゴート(問題児)
- ピエロ(おどけ役)
- ケアテイカー(世話役)
- イネイブラー(支え役)
タイプによって特徴が異なり、担ってきた役割を理解することが、回復のヒントになります。
アダルトチルドレンについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
セルフチェックの紹介や回復のステップについても書いてあるよ
ヤングケアラー
ヤングケアラーとは、家族のお世話をしている18歳未満の子どものことをいいます。
例えば
- 料理、掃除、洗濯などの家事
- きょうだいの世話
- 家族の心身のサポート
といったケアを家族のためにしています。
また
病気や障害を持つ兄弟・姉妹がいる子どものこと
を「きょうだい児」といいます。
ヤングケアラーのうち6割が、きょうだいの世話をしているとのことです(令和2年度厚生労働省調査より)。
なぜ家族の世話が生きづらさに繋がるかというと、子どもの時期を「子ども」として過ごせなくなるからです。
- 甘えたい時期に甘えることができない
- 学業に支障がでて、自己評価がさがる
- 知識がなかったり気を遣ったりして、困っていてもSOSが出せない
といったことが、生きづらさに繋がるのです。
ヤングケアラーについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
≫家の手伝いは当たり前?家族を世話するヤングケアラーについて
ヤングケアラーのための支援制度もあるよ
トラウマ
トラウマとは、心に受けた大きな傷のことです。
例えば
- 虐待
- 性暴力
- 犯罪被害
- 交通事故
- 自然災害
などが、トラウマとなって影響を及ぼします。
人間関係のつらい経験やいじめなどがトラウマになることもあります。
トラウマの症状には
- 再体験
- 回避・麻痺
- 過覚醒
の3つがあり
などの障害をもたらします。
トラウマについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください▼
脳の仕組みやトラウマケアについても書いてあるよ
対処法②:「自分が問題なのではない」と考える
何か嫌なことがあると「自分が悪い」「自分が問題なのだ」と考えがちです。
しかし、問題が自分にあると思うと、自分をさらに責めて辛くなってしまいます。
「人が問題なのではなく、問題が問題なのである」と考えることが、生きづらさを軽減してくれます。
これは、ナラティヴ・セラピーという技法のスローガンでもあります。
問題を外在化して捉えなおす
問題を自分から引き離して、自分と別のものと考えることを、「外在化」といいます。
問題を外在化することで、問題と向き合うことができるようになります。
外在化するためには、その問題に名前をつけるとよいです。
例えば
「ちょっとしたことでイライラして相手を攻撃する」という問題
↓
「怒りん坊くん」と名前をつける
といった具合で、ニックネームをつけます。
問題を外在化することで、悪いのは自分ではなくて、その問題だと思えるのです。
自分がどういう人間かを捉えなおす
自分が問題だと考えていると、自分に「ダメ人間」「悪い子」などというレッテルを貼りがちです。
しかし、問題を外在化して、悪いのは問題であることが分かると、レッテルを剥がすことができます。
そして、自分はどういう人間なのかを素直に捉え、生きやすい人生に変えていくことができるのです。
対処法③:信頼できる人に話してみる
悩みを一人で抱えるのは孤独感も募ってしんどいものです。
もちろん誰かに相談することは簡単なことではありません。
普段は生きづらさを隠して明るく振る舞っているかもしれません。
「どうせ分かってもらえない」という気持ちもあるかもしれません。
でも信頼できる人に話してみることで、生きづらさは変わっていきます。
気負わずまずは少し自分の気持ちを話してみてください。
身近に話せる人がいないという場合は、カウンセリングや無料の相談機関を利用する方法もありますよ。
- いきなり専門機関に相談するのはハードルが高い…
- 近くに相談できる人がいない…
そんな人は、X やInstagramで気軽にDMください。
無料で相談に乗っているよ
また、アバターを使ってボイスチャットやテキストチャットでお話できる、バーチャル談話室も開室しています。
バーチャル談話室は、「cluster」というアプリ内に作られた、メタバース上の談話室です。
誰でも無料で利用できるので、気軽に遊びに来てくださいね。
バーチャル談話室について、詳しくはこちらの記事を読んでみてください▼
注意点:名前が持つ影響力の強さに注意!
症状に名前をつけることで、生きづらさは理解しやすくなります。
ただし、名前が持つ影響力の強さには注意が必要です。
例えば、「うつ病」と聞いてどんなことをイメージしますか?
- 元気がない
- ネガティブ
- いつも気分が沈んでいる
名前はそれだけでいろいろなことをイメージさせます。
注意したいのは、その名前がその人すべてを表すわけではないということです。
「うつ病」でも、前向きな面や元気な部分も持っています。
そのため、例えば自分が「HSP」だからと言って、「HSP」という名前にとらわれすぎないようにしてください。
自分は「自分」なのです。
あくまで自分の生きづらさを説明するための言葉なんだよ
まとめ:症状の名前が生きづらさを説明してくれる
生きづらさの原因には、生まれつきの特性と周りの環境の2つが影響しています。
- HSP
- 発達障害
- アダルトチルドレン
- ヤングケアラー
- トラウマ
といった概念が、生きづらさを理解するために役立ちます。
「人が問題なのではなく、問題が問題なのだ」と考えることで、症状とも向き合いやすくなるので、自分を理解するヒントにしてみてくださいね。
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